【DX推進】「2025年の壁」と対策
- 赤間勝明
- 3月18日
- 読了時間: 3分
DXアドバイザーのLemRec.赤間です
企業経営やIT部門の間で頻繁に語られる「2025年の壁」について
対策を取っている企業は少ないと言われています。
本記事では「2025年の壁」の概要、背景、影響、企業での対策についてご説明します。

「2025年の壁」とは
経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」の中で、2025年までに日本企業が直面する大きな課題と示されています。
老朽化・複雑化した基幹システムの限界
IT人材の高齢化と不足
グローバル市場での遅れ
新しいビジネスモデルへの対応困難
これらの課題を解決せずに放置した場合、最大で年間12兆円の経済損失が生じると試算されています。

「2025年の壁」の問題点
1. レガシーシステムの老朽化
現在企業では、20年以上前に導入された古い基幹システムが稼働しています。
これらのレガシーシステムは、保守が難しく、改修も困難な状況です。
それに加えて、レガシーシステムの仕様を理解している社員の退職が進むことで、さらに保守が困難になっています。
2. DXの遅れ
DXを実現するためには、迅速な意思決定と柔軟なシステム対応が大切です。
しかし現状の老朽化したシステムでは柔軟な対応が難しくなっています。
その結果、新規事業の立ち上げやデジタル技術の活用が進まず、競争力を失うリスクがあります。
3. IT人材不足
高度なシステムを保守・運用できるIT人材が、急速に減少しつつあります。
若手のIT人材は最新のクラウドやAI技術には精通していても、レガシーシステムの運用には対応出来ていません。
この人材の不足が問題を深刻化させています。
「2025年の壁」放置のリスク
競争力喪失
DX化が進んでいる新規参入企業に比べて、サービスやコスト競争で不利になる。
セキュリティリスク
古いレガシーシステムへの、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクが高まる。
法令違反リスク
デジタル社会に対応する新しい法規制への対応が迅速に出来ない。
高コスト体質
レガシーシステム保守費用が高騰し、収益を圧迫する。
合併と買収や提携の機会損失
古いレガシーシステムの存在により、他社との提携や統合の機会を損失するリスクがある。

「2025年の壁」への対策
1. 現状分析
自社のITシステムの現状を正確に把握することが重要です。
どのシステムが稼働しているのかを把握
各システムの導入時期、更新履歴の調査
システム依存の業務プロセスの明確化
保守・運用に必要な人材とその年齢構成
2. あるべき姿の策定
DX化がもたらす新事業について、ビジョンを明確にします。
クラウド活用による柔軟な業務運用
AI・データ活用による新規事業開発
セキュアな情報基盤の構築
3. モダナイゼーション
レガシーシステムの段階的な再構築を進めます。
システムのクラウド化
APIによる外部サービス連携
柔軟で拡張性のあるIT基盤の構築
4. DX推進体制の強化
CDO(最高デジタル責任者)の任命
DX推進部門の設置
社内DX人材の育成と外部専門家の活用
5. 経営層のコミットメント
経営者自らが「DXは経営課題」と認識し、積極的に関与することが重要です。

「2025年の壁」への迅速な対応
レガシーシステムからの段階的なIT基盤再構築によって、柔軟な事業戦略に迅速に対応出来るような
拡張性のあるDX化を進めることが必要です。
効率化により、削減されたコストを、DX推進に投資することで、将来的な価値創造に繋げることが重要です。
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